昨年12/15(日)の第1回に引き続き、「さいたまシティマラソンの完走を目指すランニングスクール」の第2回練習会が、1/26(日)午前・午後の部ともに開催されました。今回は第2回・午後の部の様子をレポートします。
〈ストレッチ&体操〉
まずはレッズランド2Fの多目的スペースでストレッチ&体操を行ないました。寒い季節は特に、体が縮こまりがちなので、走る前の準備はできるだけしっかり行なうのが理想です。山本コーチがメイン指導者となり、太ももの裏やおしりなど下半身の大きな筋肉から、腕振りにも重要な肩甲骨周りなど、しっかり伸ばしました。
足の角度を変えながら、股関節周りや太ももの裏、お尻を伸ばします
「走るというと足にばかり意識が行きがちですが、上半身も大切。背中や肩甲骨周りもしっかり動かしましょう」と山本コーチが伝授してくれたのは、あぐらをかいた状態で行なうストレッチ。腕を左右に広げたり、上げたり下げたり前に伸ばしたりしながら、肩甲骨周りを中心に、腕や肩、背中をほぐします。呼吸を止めないで行なうことが大切です。
〈ペース走〉
前回の予告通り、今回は長い距離を走る練習です。それもただ漫然と走るのではなく、1kmあたりのペースを意識して走る「ペース走」というメニューです。レースでは、途中でペースが大幅に落ちたりしないよう、最初から最後まで同じようなペースで走ることが、目標タイムに近づく近道です。
「距離を走るにつれ、時間が経つにつれ、辛くなってくるのですが、そこで粘ってペースを維持していくことが大切です」と尾池望ヘッドコーチ。
設定ペースに合わせて3チームに分かれて走りました。
●Aチーム 6分20秒〜6分ペース
●Bチーム 6分40秒〜6分20秒ペース
●Cチーム 7分15秒〜7分ペース
土手に移動したのち、チーム分けします
全チーム10〜14km走ることを目標に、荒川河川敷の土手沿い片道2kmを往復するというコース設定で走り始めました。
「どのチームも、最後の1kmはフリーペースで。できるだけ上げていきましょう!」とのことで、気合いを入れてスタートです。
Aチームは井上コーチがひっぱります! 気合い十分!)
Bチームは山本コーチと協力アシスタントコーチのさいたま市消防局陸上部の羽田野コーチがひっぱり、和やかにスタート!)
Cチームは“最年少コーチ”さいたま市消防局の鬼澤コーチがひっぱり、マイペースでスタートです
長い長い荒川河川敷の土手を、スタート! まずは下流に向かって走ります
荒川河川敷の土手は遮る建物などがないため、風が吹くと非常に強くなります。特にこの日は、午前中から風が強く、午後になって風速10mという強風が吹きつけ、ランナーにとってはかなりハードなコンディションとなりました。
「追い風と向かい風ではペースが10秒くらい違うことも普通です。風がないときと比べて体力をかなり消耗するので、できるだけ省エネ走法を意識してください」と尾池コーチ。具体的には、
【向かい風の走り方】
「目線は前の人のヒザ裏辺りに落とし、頭から押して走るイメージで。腕振りはコンパクトにリズムよく。腕をコンパクトに振ると、自然にストライド(歩幅)も小さくなり省エネになる。接地はつま先からいくイメージで」
【追い風の走り方】
「追い風も強すぎると体力の消耗につながります。風に乗ってリラックスが基本ですが、強風にあおられてバランスが崩れないように踏ん張る力も必要です。接地はかかとから、軽くブレーキをかけるような感じで。飛ばしすぎて走りのリズムを崩さないように注意して」
となります。
あまりに強風だったため、片道2kmから1kmを折り返すコンパクトなコースに変更。1kmごとに追い風と向かい風という、正反対の風を体感しながら、走り切りました。
追い風を利用して100mの流しも数本、行ないました。大きなフォームで走る練習で、ウィンドスプリントともいいます。
「普段のジョギングの終わりなどにも、こうした練習を取り入れると、脚筋力がつき、走力アップにつながります」と山本コーチ。風を利用して、質の高い練習もできました。
〈補強運動〉
「今回のような向かい風に負けない走りをするためにも、腹筋は大切です」と尾池コーチ。腹筋が弱いと腰が引けて背中が丸まってしまい、肩が上がり呼吸しづらくなります。「腹筋は毎日の日課にして欲しいです」とのことで、山本コーチが、走りに直結する腹筋運動をいくつか伝授しました。
この後はストレッチ&体操をして第2回練習会は終了です。
尾池コーチからは「今日のような強風の中で走っておくと、当日多少風が吹いていても『これはそよ風だ!』って感じられるはずです。とてもいい練習ができましたね」とポジティブで力強い言葉が贈られました。
次回3/2(日)は浦和駒場スタジアムで行ないます。400mトラックを使ったインターバル練習、スピード練習を行なう予定です。次回までの課題として、
「スピードを意識した練習もしてきてください。今日のように最後の1kmだけ、最後の5分だけペースを上げて走るというのでもいいですし、ジョギングの最中20秒間だけスピードアップしてみる、というのでもいいです」と尾池コーチ。
走りに変化をもたせることで、心肺機能が高まり脚筋力がつくとのことなので、ぜひ取り入れたいものです。
〈参加者の声〉
「90分走は長いと思ったけれど、みなさんと一緒に走ったのであっという間でした。10kmレースは出たことありますが、ハーフは初めて。地元浦和の街を走れるのは楽しみなので、ぜひ完走したい」(50代女性)
「いつもひとりで走っているのでペースを決めて引っ張ってくれたのはとてもありがたかったです。最後、流しをしたら体が軽くなった気がします。向かい風の後だったけれど、意外と足は動くもんだなあと感じました。未知の距離のハーフ、がんばります」(30代女性)
「強風の中で走るという経験ができてよかった。去年は3kmだったので進歩したくて今年はハーフに挑戦です。合気道をやっているのでストレッチは習慣になっていますが、ランニングにも大切なんだなということがよくわかりました」(60代女性)
「ペースを意識して走るということが今までなかったので、今日はすごくためになりました。いつも彩湖で走っていて、風には慣れているつもりでしたが、今日の強風はすごかったですね。マラソン大会参加は初めてなので楽しみです」(50代男性)
「今日はAチームで参加。ラスト1kmのとき、井上コーチの次元の違う速さの走りにあおられて、普段より30秒以上速く走れました。ハーフマラソン1時間50分切るのが目標なので、次のスピード練習も頑張りたいです」(40代男性)
(取材・文 小谷 祐子) |