2014/03/08

「さいたまシティマラソンの完走を目指すランニングスクール」第3回(3/2)レポート

「さいたまシティマラソンの完走を目指すランニングスクール」もいよいよ3/2()が最終回。会場をレッズランドから浦和駒場スタジアムに移して行なわれました。400mトラックを貸し切っての練習の様子をレポートします。

〈ストレッチ&体操〉
まずは尾池コーチより、練習メニューについての説明が行なわれました。

「今日はインターバル走を行ないます。インターバル走とはスピードに緩急をつけて一定の距離を繰り返して走るトレーニングで、400mを7〜10本走りたいと思います。レースペースより速めの設定スピードで行なうため、心肺機能に刺激が入り、筋肉強化にも効果があります。本番でのレースペースに余裕を持たせるのが目的です。レース2週間前に、こうした刺激を体に入れると、本番でいい走りが期待できます。今日は陸上部のようにゼイゼイ、ハーハー、息を弾ませて走りましょう!」

過去2回の練習と同じく、ストレッチ&体操からスタート。特に今回はスピード練習となりますので、股関節回しをしっかり行ないました。腹筋、腕立て伏せ、もも上げといった補強メニューも追加し、心拍数を上げてスピード練習に備えます。

〈インターバル走〉
雨模様の一日でしたがスクール中は雨があがるという幸運さ。アップ後、インターバル走を設定ペースにより5チームに分かれて行ないました。

「過去2回の練習を見て、このペースなら皆さん行けるだろうと判断しました。キツかったら、途中から下のチームに下がってもOKです」という尾池コーチの言葉もあり、速いペースでスタートする人が多く、頼もしい限りです。

尾池コーチも各チームにそれぞれに叱咤激励しながら共に走り、指導。「インターバル走は最初から最後まで、設定したペースで走り切ることがトレーニングとなりますが、間をつなぐジョグはペースを落としてゆっくりでOK。これはレース中でも応用できます。レース中、ペースが遅くなったとき『落ちた…』と思うと余計落ち込んでしまいますよね。インターバル走と同じで『私はいまお休みしているだけ、次の1キロでまたペースを取り戻すぞ』と考えるとポジティブになれます。『レース中にインターバルしている自分ってすごい!』と気持ちをもり立ててください」

〈ダウン〉
この日は25分と長めのダウンジョグを行ないました。

「インターバル走などのスピード練習後のジョグはスタミナ強化に効果的です。レースで疲れてくる後半の足の重さを体感できます。私も1000m×10本などのインターバル後は60分ジョグするのが普通です」と尾池コーチ。1周か2周で終わると思っていたみなさん、長めのジョグに戸惑ったようでしたが、強度の高い練習後ほど、ダウンもしっかり行ないましょう。

〈補強&ストレッチ〉
「インターバル後はみなさん笑顔ですね!」と尾池コーチ。「あと2週間ですが、毎日やって欲しいのが腹筋です。腹筋はやった分だけ粘りのある走りができます」とのことで2種類行ないました。

片足を上げて、指先をタッチするように小刻みに30回。左右ともに行ないます。

お腹を軽くひっこめた状態で体勢をつくり、左右に30回ひねる。「テレビ見ながらできますね」と尾池コーチ。カンタンそうに見えますが、かなりキツいです。

〈閉校式〉
全3回のスクールの締めくくりとして閉校式が行われました。まずは主催者のさいたま市を代表してスポーツ振興課課長の永井氏より挨拶。

「埼玉県サッカー協会2級審判員という肩書きも合わせ持つ永井氏からは「これまで何気なく走っていましたが、尾池コーチからのアドバイスを思い出し腕振りや呼吸法にも意識するようになりました。ランニングの専門コーチに教わるという有意義な体験を皆さんとともにできてうれしく思います。休日返上でボランティアコーチとして参加してくださった消防局陸上部の皆さんにも感謝しています」との言葉がありました。

続いて尾池ヘッドコーチからはレースまでの過ごし方と当日のレースについて具体的なアドバイスがありました。

レースまでの過ごし方
不安になって練習しすぎないこと。長い距離を走る練習は1週間前の日曜日まで。レース一週間前には練習を落として疲労を抜くようにする。

肝臓を休ませること。レース時、最後の踏ん張りを効かせるためには肝臓が大事。できればレース1週間前から禁酒を。

レース前日の長湯は避ける。筋肉が緩みすぎて動かなくなる場合も。また発汗しすぎて体内の水分が不足すればけいれんや足がつる原因になることも。

レース中
スタート時に焦って飛ばしすぎないこと。第一関門までにペースを取り戻せばいいくらいの気持ちで。

給水は早めに。紙コップは上のほうをつまんでつぶして飲むように。

目線は、前のランナーの腰、お尻辺りを見る。上り坂は小刻みにリズムよく、を意識。苦しくなったら、周りの景色を見たり、沿道の応援で気を紛らわす

「私もみなさんと一緒に走ります。ゴール後は、最後の坂の真ん中辺りでみなさんを応援しています。一緒にがんばりましょう!」という力強い言葉が。

さいたま市消防局陸上部の皆さまからも一言ずつ挨拶とアドバイスをいただきました。

門井さんと鈴木さんはハーフの部、岡田さんは3kmの部にエントリー。陸上部キャプテンの門井さんからは「初めて大会に参加する方も多いと思いますが、もし今回、関門通過できなかったり、思うようなレースができなくて失敗だったとしても、それを次へのステップにしてください。どうかランニングを継続していただきたいと思います」


最後にスクール参加記念品として尾池コーチの魂のこもった手袋の手渡しが。参加者のみなさんとガッチリ握手しながらパワーを与えるコーチ陣。共にスクールで練習したチームメイト同士、お互いに当日の健闘を祈りながら、解散となりました。

〈参加者の声〉
「インターバルという名前は聞いたことありましたがやったのは初めて。普段はタイムも計らずにやっているのでとても刺激的でした」(50代女性)

「普段はキロ7分くらいのペースで走っているので、5分半のペースは大変でしたが、スピードの強弱を体感できました。60代になっても走られている方もいらっしゃるのに勇気をもらった。私も長く走り続けたいです」(50代女性)

「前日にさいたまシティマラソンのコースを試走しました。これまで2回試走しています。レースに出るのは初めてですがハーフ100分切りが目標。キロ4分半〜5分で走り続ける必要がありますが、今日の400mインターバルのおかげでレースペースに余裕が持てそうです」(40代男性)

「最初速いペースのチームでチャレンジしましたが5周目から下げました。初めての練習でしたが、『あと1本!』と思うとがんばれますね。普段は氷川神社によく走りに行きます」(40代男性)

「普段は上尾や白岡の公園などを走っています。今日の練習はハードでしたが走りきれてよかった。ハーフ2時間切るのが目標です」(40代男性)

「足を痛めて3週間走れませんでしたが、医者からも許可が出たので参加できました。21歳の息子も一緒に大会に参加するのでがんばりたい」(40代男性)

「今日は4分25秒ペースのチームで参加。こんなに速く走ったことなかったのですが、ラスト1周は95秒で走れました。本番までいいイメージをもてそうです」(30代男性)

(取材・文 小谷祐子)

  この日のメニューはトラックでのインターバル走。秒数はトラック1周400mの設定タイム、カッコ内は1kmに換算したときのペースを示しています。102秒(4分15秒)はレッズランド山本コーチと。


106秒(4分25秒)はさいたま市消防局陸上部の岡田さんと。


120秒(5分)は消防局陸上部の鈴木さんと。


132秒(5分30秒)は消防局陸上部キャプテンの門井さんと。


144秒(6分)はレッズランド井上コーチと。



それぞれのチームでタイムを計りながらスタート!


ラストの直線100mでスピードアップするイメージで。風を切って気持ちよく走ります。


1本終わるごとにリカバリー。200m(トラック半周)のジョグでつないでいきます。リカバリーの間にコーチ陣から走りやレース中の心構えなどについてアドバイスする場面も。


本数を重ねるごとにキツさを増すのがインターバルですが、粘ります! ファイト!


各チーム周回が変わってきますが、コースを譲り合いながらもみんなでがんばります。

ラスト1本は、全員一斉スタート! それぞれ全力で走ります!


消防局陸上部メンバーの速さにびっくり!

それぞれゴールに向かって全力疾走! みなさん、いい顔してます。

ラストランナーは60代女性! ナイスファイトです。最後までみんなで応援しました。

さいたまシティマラソンに参加するすべてのみなさんの健闘、祈っています!